災害時に使える部屋を暖める(寒さを逃がさない)ライフハック

冬の北見において、もしも暖房が止まってしまったら…。
そんな万が一の事態は考えたくありませんが、台風や暴風雪による一時的な停電は、誰にでも起こりうることです。

もし電気が使えず、ストーブが止まってしまった時、どうすれば少しでも長く部屋の暖かさを保てるのでしょうか?
今回は、建築のプロの視点から、家にある身近なものを使って寒さをしのぐ「お部屋の防寒ライフハック」をご紹介します。
もしもの時の知識として、頭の片隅に入れておいていただければ幸いです。

1. 家全体ではなく「ワンルーム」に籠城する

暖房が止まった時、一番やってはいけないのが「普段通りに家全体を使おうとすること」です。熱源がない状態で広い家全体を暖めるのは不可能です。

まずは家族全員がリビングなど「一つの部屋」に集まってください。
そして、その部屋のドアを閉め切るのはもちろん、廊下へと続くドアの隙間や、換気口などを一時的にテープやタオルで目張りします。

人の体温も立派な熱源です。狭い空間に集まり、空気の流出入を徹底的に防ぐことで、室温の低下スピードを大幅に遅らせることができます。
普段は開放的なリビング階段などがある場合は、突っ張り棒とカーテン(なければ毛布やシーツ)で簡易的な仕切りを作るのも非常に効果的です。

2. 窓には「プチプチ」と「段ボール」

熱が逃げていく場所の約50%〜60%は「窓」だと言われています。
ペアガラスやトリプルガラスであっても、壁に比べれば断熱性は低いため、ここをどう塞ぐかが勝負です。

もし梱包用の「プチプチ(気泡緩衝材)」があれば、窓ガラスに水で貼り付けるか、窓枠ごとテープで覆ってしまいましょう。空気の層が断熱材代わりになります。
プチプチがない場合は、「段ボール」を窓のサイズに合わせて切り、窓枠にはめ込むだけでも冷気を遮断できます。

また、カーテンは裾(すそ)を床に引きずるくらい長くし、サイドを洗濯バサミなどで壁に密着させることで、窓際で冷やされた空気が床に流れてくる「コールドドラフト現象」を防げます。

3. 床には「アルミシート」や「新聞紙」

暖かい空気は上に逃げ、冷たい空気は下にたまります。停電時は足元から急激に冷えてきます。

キャンプなどで使う銀色の「アルミシート」があればベストですが、なければ「新聞紙」や「段ボール」をカーペットの下に敷き詰めてください。
紙や段ボールは、実は非常に優秀な断熱材です。床からの冷気を遮断するだけで、体感温度は数度変わります。

また、簡易テント(ポップアップテント)をお持ちの方は、部屋の中でテントを広げ、その中で過ごすのが最強の防寒対策になります。自分の呼気と体温でテント内が暖まり、小さな個室のような状態になるからです。

「DIY」には限界があるからこそ、日頃のメンテナンスを

ここまで緊急時の工夫をお伝えしましたが、これらはあくまで一時的な「応急処置」に過ぎません。

そもそも、家の壁に隙間があったり、窓のパッキンが劣化していたり、断熱材が痩せてしまっていたりすると、どんなに目張りをしても暖かさはすぐに逃げていってしまいます。
災害時でも安心して過ごせる家とは、普段からしっかりと手入れされた「基本性能の高い家」のことでもあります。

  • 窓やドアの建て付けが悪く、隙間風が入る
  • 外壁にひび割れがあり、冷気が伝わってくる
  • 築年数が経ち、家全体がなんとなく寒い

もし普段の生活で少しでも気になる点があれば、それは家からの「SOSサイン」かもしれません。
オフィスアミノでは、大規模なリフォームはもちろん、建具の調整やコーキングの打ち替えといった小さな修繕も承っています。

本格的な冬を迎える今、そして春からの快適な暮らしのために。
「家の健康診断」だと思って、気になる箇所は早めに直しておきませんか?
お住まいのことでお困りの際は、いつでもお気軽にご連絡ください。