設定温度は高いのに寒い…その原因は「壁の表面温度」にあり

ストーブの設定温度を上げても「なんとなく寒い」。その犯人は、冷え切った「壁」かもしれません

12月に入り、北見の最低気温もマイナス二桁が当たり前になってきました。 この時期、お客様からよく耳にするのが「ストーブをガンガン焚いているのに、足元がスースーする」「部屋の温度計は25度あるのに、なぜか肌寒い」というお悩みです。

「家の断熱材が古いから仕方ない」と諦めていませんか? 実は、人間が感じる「暖かさ」は、室温だけでは決まりません。そこには、意外と知られていない「壁の温度」が深く関係しているのです。 今回は、光熱費を無駄に上げずに、本当の暖かさを手に入れるための「体感温度」の秘密についてお話しします。

私たちは普段、天気予報や室内の温度計の数字(気温)を目安にしていますが、人間の肌が実際に感じる「体感温度」は、次の計算式で決まると言われています。

体感温度 = ( 室温 + 壁や天井の表面温度 ) ÷ 2

例えば、ストーブで室温を「25度」まで上げたとします。 しかし、断熱性能が不十分で、外気で冷やされた壁の表面温度が「10度」しかなかった場合、どうなるでしょうか。 (25 + 10)÷ 2 = 17.5度 つまり、体感としては「17.5度」の寒さしか感じられないのです。

逆に、壁の断熱がしっかりしていて、壁の表面温度が「20度」あれば、室温が同じ25度でも、体感温度は「22.5度」になります。 「設定温度は高いのに寒い」という現象の正体は、この**「冷たい壁に体温を奪われていること(冷輻射)」**にあったのです。

「壁が冷たいなら、壁の中に断熱材を入れる大規模な工事が必要なのでは?」 そう思われるかもしれませんが、実はもっと手軽で効果的な方法があります。それが、今ある壁紙(クロス)の上から**「断熱塗料(GAINAなど)」を塗る内装リフォーム**です。

一般的なビニールクロスは、触るとヒヤッとするように、熱を伝えやすく冷めやすい性質があります。 一方、セラミックが含まれた断熱塗料を内装に塗ると、塗装面がストーブの熱を効率よく受け止め、即座に室温と同じ温度になろうとします。さらに、その熱を部屋側に跳ね返す(遠赤外線放射)働きをします。

これにより、壁の表面温度が室温に近づくため、先ほどの計算式の通り「体感温度」がグッと上がります。 壁全体がほんのりと暖かくなり、部屋全体を魔法瓶のように包み込む。これが、北見の厳しい冬を快適に過ごすための新しい常識です。

壁が暖かくなれば、無理にストーブの設定温度を上げる必要がなくなります。 一般的に、暖房の設定温度を1度下げると、燃料費は約10%節約できると言われています。

「寒いから設定温度を上げる」のではなく、「壁を暖かくして設定温度を下げる」。 この発想の転換こそが、燃料費が高騰している今、最も賢い節約術ではないでしょうか。

また、断熱塗料による内装塗装には、暖かさ以外にも嬉しい効果があります。 結露の発生を抑えたり、部屋干しのニオイを軽減したり、防音効果で静かな空間を作ったり。単なる「模様替え」以上の価値が、そこにはあります。

外壁塗装は雪解けまでできませんが、内装の塗装リフォームは冬の間でも施工可能です。 「この部屋、どうしても寒い」 「窓際の冷気(コールドドラフト)をなんとかしたい」

そんなお悩みがあれば、ぜひオフィスアミノにご相談ください。 サーモグラフィーなどで現在のお部屋の温度状況を確認し、最適な「寒さ対策」をご提案させていただきます。 今年の冬は、壁から「本当の暖かさ」を作ってみませんか?